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― What is a Great Businessman? ―「強いラグビーチームから学ぶ職場のチームワーク作り」セミナー後編

2018.11.08

前編はこちら / ― No Pain No Growth ―「強いラグビーチームから学ぶ職場のチームワーク作り」セミナー前編

 

 

いつでもどこでも誰とでも

 

時代の変化とともにキャリア形成が変わるのと同じく、強い組織の条件も変わってきています。昔(ヒエラルキー型組織が全盛の時代)は一人のリーダーがカリスマを持って率いていましたが、これからは全員がリーダーシップを発揮していく時代です。じつはセミナーの冒頭でも「みなさんがリーダーです」と二ノ丸さんからルールが定められていました。そのためセミナーではワークショップとアウトプットの機会を細かく設けて、参加者全員がリーダーシップを発揮できる環境作りがされていました。会社でも社員全員をリーダーにするための環境作りができていたら、社員は主体的にできます。

「リーダーの役割は何か?」
ここで二ノ丸さんからお題が出て、ワークショップをしました。参加者からは様々な回答があり、一例を紹介すると、「管理力」「環境を整える」「気配り」「責任」「率先」「全体のモチベーションを上げる」などなど。いずれもリーダーの役割として素晴らしいものだと思いました。

対して、二ノ丸さんはリーダーの役割として5つものを提示しました。
①「方針を示す」
②「コミュニケーションの充実」
③「方向性を示す」
④「役割分担の明確化」
⑤「気づき、気配り」 

それぞれの役割について説明したあと、二ノ丸さんから参加者へ質問が。
「今日この場でリーダーシップを発揮した人は?」
3人が挙手しました。さらに二ノ丸さんが続けます。
「いつでもどこでも誰とでもこの5つを発揮できる人が真のリーダーです」

 

いま何をすべきか考えて行動できる人がグレート。言われてやる人がグッド。

 

「2:6:2は何の数字かわかりますか?」
また二ノ丸さんからお題が――。この数字は働きアリの法則と呼ばれる有名な法則で、参加者のみなさんもご存知でした。上位20%が組織の大部分を担うほどよく働き、60%はふつう、20%はあまり働かない、というものです。だいたいの組織がこのような構成になるらしいです。

グレート人財:20%
 グッド人財:60%
 バッド人財:20% 

組織における人財カテゴリーとして、グレート、グッド、バッドの言葉が並びました。グレート人財とグッド人財の違いを説明すると、例えば、サッカー部でレギュラーを目指すAくんとBくんがいて、二人ともドリブルが課題だとします。レギュラーになるためにAくんがドリブルの練習に励むのに対して、Bくんがヘディングの練習に励んでいたとしたら、どちらがレギュラーになるか。

逆算方式で、今何をすべきか考えて(気づいて)行動できるのがグレート人財です。一方で、言われてからやる人がグッド人財となります。

言われてやるか、言われる前にやるかの差。
気付けるかどうか、先読みできるかどうかの差。
人間の大きな差はこれだと言われています。 

従来のヒエラルキー型組織(ピラミッド構造のトップダウン型)では、管理された中での率先模範な人(優等生)が組織にとって優秀な人財でした。つまりグッド人財が重視されていました。しかし、これからのホラクラシー型組織(個人の主体的行動によって成り立つ)ではグレート人財が価値を生み出す存在とされています。

 

この「はい」は本当の「はい」だと思いますか?

 

セミナーも終盤に差し掛かり、指導方法について教えていただきました。

日本では従来からグッド人財を育てるためのトップダウンの指導方法が主流でした。指示通りに、言われたことを実行することが正しいとされてきて、スポーツ現場でもトップダウンの指導法が続いてきました。そのメリットは即効性(早く結果が出る)にありますが、デメリットとして競技を高度に理解しなくなることで、長期的な選手の成長を阻む恐れがあります。 

グレート人財(自ら気づき、判断し、行動できる)を育てるには、従来の管理の指導法から育成の指導法に変える必要があります。コーチング学的に説明すると、ティーチング(明示的指導)とコーチング(暗示的指導)の違いにあたります。ティーチングは、日本の学校の先生がしている指導方法で、答えをすべて提示するような正解ありきの指導のこと。一方、コーチングは、自分で気づかせ、判断し、行動する余地を与えて、正解(ゴール)を自分たちで設定する指導のこと。

 親子のちょっとした会話にも違いは表れます。
明示的なお母さんは、子供が学校に行く前に雨が降るとわかれば。
「雨が降るから、傘を持っていきなさい」
暗示的なお母さんだと。
「外を見て」「(子供が雨が降りそうだと気付くと)雨が降りそうなら、何がいる?」 

会社でも上司が部下にクローズクエスチョンをしがちです。
上司「わかった?」
部下「はい……」
上司が部下に考えさせる環境を構築していない中で、上司が優越的地位を利用してこのようなYES/NOを答えるだけの質問をするのはNGです。二ノ丸さんはラグビーの指導者や企業研修時によく問いかけているそうです。この「はい」は本当の「はい」だと思いますか?

 

「自分が変われば環境が変わり、環境が変われば結果が変わる」「矢印を自分に向ける」

 

ティーチングとコーチングはそれぞれに特性があるので、相手やその状況によって見極めが重要です。ラグビー日本代表を率いていたエディー・ジョーンズ元ヘッドコーチが指導者の中でもすごいと言われているのが、日本とその後に率いたイングランドで指導方法を変えていることです。日本ではティーチングから、イングランドではコーチングから。このような見極めができることも優れた指導者の条件になります。

最後に、二ノ丸さんから強い組織の在り方を学び、それから参加者にはホワイトボードに描いていた「What is a Great Businessman?(すごいビジネスマンはどんな人?)」を再定義してもらいました。一日がかりのセミナーを終えて、キーワードが上書きされたり、絵や図が書き直されたり、それぞれのすごいビジネスマン像にも確かな変化がありました。 

「自分が変われば環境が変わり、環境が変われば結果が変わる」
「矢印を自分に向ける」
二ノ丸さんがこのセミナーで繰り返し述べられていたのがこの2つのメッセージです。ふだん仕事をする中でも忘れずにいたいです。

 

セミナーを終えて(当センターの香水より)

 

今回のセミナーは社員の方の定着もテーマにありました。コーチングの話を聞いて、会社でも上の人間が部下や後輩の仕事の理解を聞かないまま次々に仕事を課していき、一方で部下や後輩は仕事を続けてきたものの今後も続けていく自信が持てないのではないかと思いました。職場ではクローズクエスチョンの「はい」で仕事が進められていないか。私自身も含めて、参加された方には本日の学びの振り返りをしていただきたいです。 

 

参加者の感想

 

○大人が学ぶには、固定観念・成功体験・価値観・哲学が妨げになっている、というお話がとても印象に残っています。今現在私も、周りがやっていない中ひとりだけで勉強に取り組む勇気がなく、恥ずかしさやめんどくさを理由に「大人の学び」から逃げているところがあるのでとても心に刺さりました。

○リーダーの役割=①数値化したゴール②コミュニケーション能力③決断④役割分担の明確化⑤気づき、配慮。この中でとくに③決断、④役割分担の明確化が弱いと思います。だいたいを決めることが多いのですが、最終的にどうするんだ?というのが中途半端に周りの意見を聞いて、決断せずに曖昧で終わってしまうことがあります。皆が動きやすいように決断と役割分担をする意志を高めたいと思います。

○高校時代、私自身もラグビーに打ち込んでおり、当時の監督やコーチから「自分に指を差せ」と常々言われていたのを鮮明に思い出し、二ノ丸先生がおっしゃっていたこととリンクし、感銘を受けました。また、「ホラクラシー型組織」や造語「VUCA」、「DUAL CARRIER」など初めて聞いた言葉や、自主的と主体的の違いなど、非常に収穫の多い1日でした。

 

参加企業

 

・株式会社レオタニモト
・株式会社ロイヤル住建
・株式会社伊藤軒
・有限会社丸重屋
・京都精工電機株式会社
・株式会社笹屋伊織
・東和商事株式会社
・株式会社特殊高所技術
・比果産業株式会社
・西洋フード・コンパスグループ株式会社
・冨士倉庫運輸株式会社

二ノ丸さん、セミナーにご参加いただいた企業のみなさん、ありがとうございました。

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