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イベントレポート『和える(aeru)』(京のまち企業訪問ツアー)

2018.10.16

date:2018.9.6

京のまち企業訪問5社目は、京都市下京区、烏丸松原西入ルにある【株式会社和える】が展開する“0から6歳の伝統ブランドaeru”の京都直営店「aeru gojo」。

“0から6歳の伝統ブランドaeru”では、日本各地の伝統産業の職人さんとともに、子どもの時から大人になっても使い続けられるオリジナルの日用品を、企画・販売されています。

今回は店舗内での開催となった為、営業終了後の夕方からの開催となりました。また今回も企業選定から、企業との打ち合わせ、当日の運営まで全てを、京都市わかもの就職支援センターの学生広報担当(わかせん広報室)の2人が担当してくれました! 

aeru gojoがあるのは、100年佇む京町家。明治4年創業の“糸屋”、【糸六株式会社】の表を借りて営業されています。

まず最初に、“ホストシスター”の中川さまより会社の説明を受けました。“おじいちゃん・おばあちゃんのお家”がコンセプトのaeru gojoでは、ホストファミリーのような存在でありたいという想いから、社員のことを「ホスト○○」と呼んでおり、aeru gojoには他にも“ホストマザー”や“ホストブラザー”の肩書きをお持ちの社員の皆さまがいらっしゃいます。

「和えるでは、“三方良し”の考え方を大切にしています。商品を作っていただいている全国の職人さん、和える自身、そして、商品を購入されるお客様、つまり社会全体の“三方”全てが幸せになれるようにという考えのもと、次世代に日本の伝統をつなぐための様々な取り組みをされています。

一般的に商品の開発期間は、数ヶ月から半年程の会社が多いですが、和えるでは、商品の開発に約3年前後をかけています。aeruの商品は、発売されると、職人さんが作り続けることができ、原材料が確保できるうちは、“ずっと定番”。季節や流行によって、コンセプトを変えるわけではないので、自信を持って伝えたい、次世代につなぎたいと思うものだけを職人さんと共に作っています。

さらに和えるでは、長く暮らしに寄り添ってほしいという想いから、陶磁器や漆器、玩具などの商品の「お直し」も承っています。お直しの技法も、日本に古くからある伝統的な「金継ぎ」や「漆の塗り直し」など。壊れても、お直しできるということや、「ものを大切にする」日本の精神性も含めて、お伝えできればと考えています。陶磁器やガラスが割れてしまった時、子どもはしょんぼりした顔をしていますが、お直しをした後は、『これからは大切に使うね!』と言ってくれた、という声をご両親から直接いただくこともあります。」

商品の開発や愛着に関するお話と、和えるのコンセプトの1つである“日本の伝統を次世代につなぎたい”という想いを実践されているお話を伺えました。

終始笑顔で丁寧に“和える”の想いや商品の説明をしてくださる中川さん。イベント中、仕事のことを忘れてしまう位、本当に穏やかな時間が流れていました。

aeru gojoは、“おじいちゃん、おばあちゃんのお家に帰ってきたような・・” 感覚で遊びに来てほしいというコンセプトをお持ちです。

「そのため和えるでは、お客様へ『いらっしゃいませ』ではなく、『こんにちは』『こんばんは』というお声がけを自然としています。」

とおっしゃっていました。コンセプトに基づき、徹底したお店作りや商品作りをされている点に、“プロ魂”を感じました。

さて、いよいよこの日のイベントのメイン企画!三重県の職人さんが手彫りした伊勢型紙を使った、はがきの型染め体験のワークショップを行いました。

和紙に伊勢型紙(上記写真に茶色く写っている、色んな模様の彫られた型紙)を当て、顔彩(がんさい)という日本画などに用いられる顏料から好きな色を選んで、染めていくというものです。今回使用した伊勢型紙は、はがきサイズですが、お着物を染める際に用いられる型紙は何倍も大きいのだとか。

はがきの素材は、和紙。愛媛県の“五十崎(いかざき)和紙”という和紙で、職人さんが1枚1枚、丁寧に手漉きした和紙なんだそうです。そのため1枚1枚、風合いが違います。まずはそれぞれ好みの表情の和紙を選ぶところからスタートです!

次に5種類ほどある伊勢型紙の中から自分の好みに合った型紙を選びます。七宝模様や千鳥柄、ウサギが餅つきをしている秋限定の絵柄等、どれも可愛い絵柄ばかりで、なかなか決まらない参加者も。そしてこの型紙ですが、なんと!職人さんのフリーハンドで彫られているそうです。思わずため息が漏れてしまいました。

型紙が決まった後は、和紙の上に型紙を置き、顔彩で、思い思いの色を載せていきます。

馬の毛で作られた刷毛に水を少し付けて、顔彩をこすると色が出るんですが、この水加減が非常に難しく、水を付けすぎて色が滲んででしまい苦戦している参加者が沢山・・でもそれも良い風合いになっていました。

少しコツをつかんでくると、皆黙々と色を入れ始めました。夢中になりすぎ、しばし無言の時間が流れました。

中川さん曰く、「よくある光景」なんだそうです。

切手を貼ると、葉書として送ることも可能だそうです。同じ型紙を用いても、型紙の置き方や色の入れ方が違うので、世界に1つだけの作品です。出来上がった和紙を見ていると、その人の好みや性格が表れ、本当に面白かったです。

ワークショップ後の座談会では、中川さんがさらに“働く上で大切なこと”や“自分らしい働き方”などについてお話くださいました。

 「和えるでは、“一人ひとりが会社を育んでいる”という意識を持って働いています。ルール作りに関しても、自分たちで意見を出し合い、心地が良いと思える内容にしています。福利厚生についても例外ではありません。例えば、産休や育休について。妊娠時の体調は、1人1人大きく個人差があります。一律で、“何日お休みが取れます”というきまりではなく、個々のことを考え、在宅勤務を増やしてみるなど、個人にも全体にとってもベストな働き方を常に模索しています。有給休暇についても、“何日あれば幸せか?”を社内でミーティングし、“半年に1回、長期休暇を取る!”ということも実践しています。

さらについ最近始まったのですが、社員の長期的な健康のことを考えて、月に1回鍼灸で心と体のメンテナンスが受けられるという福利厚生も追加されました。」

また和えるでは、“0から6歳の伝統ブランドaeru”以外にも、次世代に伝統を繋ぐための新しい事業に取り組まれており、和えるが創業20年を迎える2031年までに、約12の事業の展開を予定されています。

その中の1つが、ホテルや旅館のお部屋を、その地域の伝統や歴史を感じられる空間に設える “aeru room”事業です。

既に長崎と姫路でオープンされていますが、2018年12月には、奈良に3つめの“aeru room”が誕生予定だそうです。そして、2020年には、京都にも誕生予定とのこと。このイベント当日も、新規事業を主に担当されているホストマザーの田房さんと職人の皆さんが、開業に向けて熱心に打ち合わせをされていました。

田房さんは大学卒業後、大手化学メーカーに入社され、約5年間東京でお仕事をされていました。

「仕事は面白かったのですが、家族のいる関西に帰りたいという思いがきっかけになり、転職を決めました。商品や空間を通して産地の魅力を届けていきたいという思いに、和えるの取り組みがぴったり重なりました。転職する際に、安定した大手を辞めるなんて思い切ったねと言われることもありましたが、ベンチャーの良い部分もあると思っていましたし、不安は全くなかったです。」 

まさに和えるは、“田房さんの想いと合致した企業なんだな・・”とお話を聞いていて思いました。

田房さんと中川さんのお話を聞いているうちに、穏やかな時間はアッという間に過ぎ、イベントは終了の時刻を迎えました。和えるの社員の皆様、本当にありがとうございました。

株式会社 和える|ホームページ

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