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イベントレポート『よくわかる働き方と法律セミナー』

2018.06.12

 

date:2018.05.27

企業と学生で『はたらく』を考える

 

昨今、ワークライフバランスやブラック企業などの問題が働く上で問われるようになり、社会全体でも「働き方」について議論されつつあります。今回のセミナーでは、学生と企業人の双方の視点から、どうすればより良い『働く場作り』ができるのかを考えました。

<講師紹介>
講師を務めるのは当センターの香水雄介。住宅メーカー、出版社を経て人材業界へ。学生の就職支援や企業の雇用安定など、人材に関する研修は多数。

今回のセミナーでは学生と企業人がそれぞれの立場で意見が交わせるように、グループに分かれてテーマごとにワークショップ形式で進めていきました。

<ブラックバイトを考える>
今回、「働く場作り」を考えるにあたって、題材として「ブラックバイト」を取り上げました。アルバイトによって、学生らしい生活が送れなくなるという問題から生まれたブラックバイトですが、なぜそのような事態が起きてしまうのかについて考えていきました。

<ブラックバイトの原因は?>
たとえばブラックバイトには、シフトの強要や賃金の不払い、罰金・自腹購入などが挙げられます。こうした問題が起こりうるのは様々な要因が絡み合った結果ですが、今回はアルバイトと雇用側(企業)のあいだに潜む「認識のズレ」(コミュニケーションギャップ)に着目しました。

<コミュニケーションギャップとは?>
「認識のズレ」(コミュニケーションギャップ)は、人と人がコミュニケーションを図る上では必ず起こりえるものです。「アルバイトと雇用側(企業)」だけに限った話ではなく、根本的に人が人と関わる際に発生するものです。そもそも人間は、個々の頭の中のイメージや感覚を他人と直接的に共有はできず、『言葉』というツール(情報を絞り込んだ、抽象的な事しか伝えられない)に置き換えて相手に伝えるしか情報伝達の手段がないからです。ブラックバイトが起きている職場には、このコミュニケーションギャップが顕著化していると思われます。

<コミュニケーションギャップをなくすには>
ではどうすれば、世代や立場、考え方が異なる職場においてコミュニケーションギャップをなくせるか?グループ(学生はアルバイト先、企業人は自身の職場を想定して)でワークショップをして考えてもらいました。

◎発表された意見
・仕事前にミーティングをして、共通認識を持てるようにする。
・社員に話しにくい、という先入観をアルバイトがなくせれば。
・企業理念や存在意義をアルバイトも共有する。
・ごはん会をして関わる機会をつくる。
・仕事や職場のルールをシンプルにしてアルバイトも理解できるように。
などなど。

ここでキーワードとなったのは、「言いにくい空気」や「相手の立場への配慮」。たとえば、企業目線でしか「働く場作り」ができていないアルバイト先があれば、働く上で重要な労働条件の認識が共有できていなかったり、アルバイト学生の状況(テスト期間や就職活動など)に配慮せずシフトを強要されたりしています。これがコミュニケーションギャップから生じるブラックバイトとなるわけです。

<アルバイト先や職場において起こっている(起こりうる)問題・課題・解決を考える>
最後に、現在の職場で起こっている(起こりうる)問題と課題、その対策についてグループで話し合いました。

◎発表された問題・課題・対策
・【問題】新人アルバイトが定着しない。【課題・対策】原因は研修ができていないためだと思われるので、新人アルバイトが安心して働けるよう研修を導入してほしい。
・【問題】コンビニには外国人アルバイトもいるけど、コミュニケーションが取れていない。【課題】言語や文化の違いから、外国人アルバイトと話すことが難しいと先入観が先行していて、コミュニケーションの機会を奪っているように思える。【対策】企業側から外国人アルバイトと日本人スタッフがコミュニケーションを図れる研修をしてほしい。
・【問題】アルバイト先の突発的な人員トラブルによるシフト強要。【課題・対策】①過度なスケジュールでシフトが組まれている現状がある。そのため余裕をもったスケジュール管理をして、シフト調整をしやすいようコミュニケーションツールを導入する。②業務が属人化(その人しかできない)しているため、マニュアルを作成する。
などなど。

<総括(講師:香水より)>
一言に「職場環境」といっても、そこにはアルバイトも正社員も含めて様々な人がいます。考え方・価値観・性格が異なる人たちが同じ場所で働く上で、「自分にとっての当たり前」と「他の人の当たり前」は違うことを理解することが大事です。まずは、違うことを認識すること、そして“歩み寄る”ことが働き方や職場環境を良くする第一歩だと思います。

そして職場でのコミュニケーションギャップを埋めるには、繰り返し自分の意図を伝えるか、何度も相手に問い返して確認をする必要があります。職場には守るべき法律と決めるべきルールがあるはずです。こうしたことが曖昧だと問題が生じます。アルバイトと雇用側(企業)が共通認識を持ってくおくことが、働く上でのマナーです。

さらに職場環境を良くするには、アルバイトも正社員も関係なく、「チーム」としての関係性が重要だと思います。「関係の質」を高めることが、じつは結果を出すための最短距離だと思います。

<参加者の感想>
・「関係の質」が大事だということがわかりやすく説明されていました。120分かけて話し合ったので腑に落ちました。(学生)
・アルバイト先で自分からもコミュニケーションを取ろうと思いました。就職活動中でもあるので、条件だけでなく、職場の中身も見るように心がけようと思いました(学生)
・いろいろな意見や価値観が知れておもしろかったです。サークルで後輩と接する際にも参考になりました。(学生)

<参加企業>
今回のセミナーでは、働き方改革に関心の高い下記の企業様がご参加くださいました。お忙しい中、ありがとうございました。
・株式会社特殊高所技術様
・京都ダイハツ販売株式会社様
・ワタキューセイモア株式会社様

<ブラックバイトのご相談窓口>
当センターでは、今後も働き方を考えるセミナーを開催していきます。興味がある方はぜひご参加ください。また、個別カウンセリングではブラックバイトや働き方に関する相談も受け付けています。少しでも疑問に思うことやお悩みがありましたら、気軽にカウンセリングをご利用ください。

また、京都労働局や京都府でもブラックバイト相談窓口を開設しています。京のまち企業訪問サイトのアルバイトのトラブルでお困りの学生の皆さんへページよりお近くの相談窓口をご確認いただけます。

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