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イベントレポート『上羽絵惣』(コトキャリ2019・京のまち企業訪問ツアー編)

2017.12.07

京都わかせん広報室の学生スタッフによるイベントレポートです。当日の雰囲気や社会人が学生たちとトークをしているときの“印象的な話”をお伝えたいと思います。


date:2017.11.8

『伝統を現代に活かす──260年続く老舗の絵の具屋さん』

コトキャリ企業訪問、7社目は上羽絵惣です。

この名前で「絵の具屋さん」とわかった方、きっと日本画の勉強をされているのではないでしょうか。

そして上羽絵惣は絵の具だけでなくあの「胡粉ネイル」を作っている企業です。

260年前から続く日本画絵具専門店の上羽絵惣は、胡粉というホタテの貝殻の粉末を使ったネイルを作り大ヒットしています。

なぜ絵の具屋さんがネイルの開発に至ったのでしょうか。

商品開発のお話の前に、上羽絵惣本店にある蔵の見学をさせていただきました。

上羽絵惣で扱っているのは日本画に使用される岩絵の具などです。

創業1751年(江戸時代)260年以上続く会社には、職人さんたちが住み込みで寝泊まりしていた部屋や蔵が今も残っています。 

その蔵はたくさんの絵の具の元になるものが置いてありました。

日本の伝統色にはそれぞれの名前にはストーリーがあるそうで、当時の日本人の美意識などが反映されているのではないでしょうか。

蔵の見学の後、部屋を移ってお話を聞きます。

まずは上羽絵惣の歴史について。

6代目のころに現在も使用されている白狐のロゴマークができたそうです。商売繁盛を願い、伏見稲荷神社の狐をモチーフにしたのではないかと言われています。

その後、明治から大正にかけて、西洋の文化が日本に入ってきます。絵画も日本画だけでなく、油絵など他の制作技法が伝わってくるにつれ、20数軒あった絵具屋がなくなっていき、日本最古の絵の具屋さんは現在では上羽絵惣だけとなりました。

伝統産業全体のマーケットが縮小傾向にありますが、上羽絵惣も同じく状況は厳しく、10代目が後を継いだ時も大変だったそうです。

芸術の世界は小さな市場です。

その中でたくさんのお客様にいかに楽しんでいただける商品をつくるか。

いまの市場を知り、どうマッチするものをつくるか考えた末に10代目が考えたアイデアは、「爪をキャンバスにする」というものでした。

多くの女性が一度はしたことがあるネイル。これに、日本の伝統色と胡粉という天然素材を組み合わせ、体に優しい『胡粉ネイル』ができました。

普通のネイルと違い、有機溶剤を使用していないため、独特の匂いもなく爪に優しいネイルができました。

「私たちの会社は芸術に関わる会社で、芸術で人を楽しませる仕事に携わっています。芸術というと遠い世界のように感じますが、皆さん服やメイクなどで自己表現をしているアーティストだなと思ったんです」

という言葉がとても印象的でした。

今回の企業訪問では、10代目の仕事に対する強い思いが伝わってきました。

厳しい状況から、多くの人々に受け入れられる商品を開発するには粘り強く考え続けることが大切なのだと感じました。

そして大変な状況にあっても自分が楽しみながらできることを探す、という姿勢を見習いながら私も将来のことを考えていきたいと思いました。

*トーク内容は一部抜粋です

*実際のイベントはフリートーク形式で行っています。

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